黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑨

息子のジューサー

 この6月で、息子クロスケは20歳になるはずだった。猫の20歳。超えたら化け猫「猫又」になるんだったっけ?尻尾が2つに裂けて(痛そう!)、話ができるようになるんだったか。猫又になった息子とは、是非とも喋りたかったな・・・「子離れしろ」と一喝されただろうけど。

 今日、息子の流動食を毎日作っていたジューサーで、バナナスムージーを作った。バナナを凍らせておいて、豆乳を流し込み、スイッチを入れる。ボトルからスムージーを飲み終えたら、ボトルやブレンダーの刃がついている部分を洗う。そうそう、穴に串の先端を入れてパッキンを外して洗わないといけなかったよね・・・。

 こういった一連の簡単な動作が、息子専用の道具などに触れると、今もぎくしゃくする。今日も最初は何ともなく行けるかと思ったが、途中から涙をこらえながらになった。「ごはんー、ごはんー」と足元で催促する息子の姿がパッとたちどころに浮かぶからだ。

 元々は、家族の野菜不足を補うために買ったジューサーだった。そのボトルのまま、フタだけ取り換えて仕事にも持って行ける小ぶりなサイズ。色もビタミンカラーで可愛いし、いちいちバーミックスを出す必要が無く、重宝していた。それが、サイズ的にピッタリでもあり、いつの間にかクロスケのごはん専用になっていたのだった。

 昨日も、ちょっとココナッツオイルを入れる小さめなガラスの器が必要だなと考えて食器棚から手に取ったのは、息子の薬をいつも溶いていた器だった。そこでまた、しばし立ち尽くすことになった。

 家の中はあちこち息子の痕跡だらけ。昨年2月に息子が死に、気づいたら世の中はコロナ。家で仕事をしながらの引きこもり生活が1年以上も続き、ずっと息子三昧だ。なんと幸せなことか。

闘病生活、後半戦

 2019年10月末、1センチ×1センチの扁平上皮癌の局所再発が確認されたとき、息子の肝機能の数値は、意外にも半月前よりもかなり改善していた。10/15に231.0だったGPTは101.0と半分以下、GOTは56.0➡ 34.0と正常値になり、ALPは234.0➡ 194.0とまだ高いながらも大幅減。S先生が考えたのは、その回復の流れに乗っての、11月上旬のセンダイウイルス治療の導入だったのだろう、きっと。 

 そこで私が踏ん張れなかったのは、前述の通りだ。いや、むしろここまで検査結果が改善しているのだから回復をしていると考えて、「センダイウイルス治療で無理をさせなくても、紅豆杉だけでも行けるのでは」と思ったのかもしれない・・・よく覚えてない。

 手元に取ってある息子クロスケの血液検査結果は、この10/29のものが最後。息子が泣こうが喚こうが、センダイウイルスを続けて注射していたら?もっと良い検査結果を見ることができたのだろうか。

 ウイルス治療を諦めてすぐの11/10は、息子クロスケの体調は良かったらしく、記録によるとお風呂に入れている。猫タワーにも登ったと書いてある。息子は、トイレの後に自分でお尻を舐め、きれいにもしたらしい。家族の字でそう書いてあった。

 これは、下顎半分を手術で失って、いきなり方向性の定まらなくなった舌を操る必要が出てきた息子にしては、すごいことだった。舐めたいところが舐められなくなっていたから、ストレスがたまっていたはず。それが、とうとう狙い通りにできるようになっていた。すごいよ息子。

 この頃は、少しずつ2~3時間おきに流動食を与えていて、日付をまたいだ午前2時とか3時ごろまでは夜型の私が、その後は早起きの家族が5時とか6時の息子の求めに応じてごはんを用意していた。トイレもちょっとずつ、ちょこちょこ行っては「出たよ~出たよ~」と本人からその都度のお知らせがあり、また吐きやすいのでその始末もしなければならない。息子も大変だったが、世話をする側も寝不足が続いた。

 11/12~14には、少しではあったのだけれど、口から出血。どこから血が出ているのかわからないのが不気味だったが、癌部分からの出血ということも今後はあるだろうと覚悟しなければならないとは思っていた。

 15日からは血が止まり、落ち着いた5日間が過ぎたが・・・私のめまい発作が再発してしまった。23日には合唱の公演本番も控えていたので週末は毎週練習があり、12月2日には大事な仕事のミーティングもあったため、準備もあった。

 息子に毎日与えていた鎮痛剤のメタカムを1日おきに与えることになったのは、11/21。あまり痛くなさそうで、要らないようなら消化器症状やそろそろ限界が来るかもしれない腎臓との兼ね合いで、漫然と与えず様子を見ていこうとホメオパシー獣医と話をしたのだったと思う。

 23日の様子については当時、ブログにこう書いていた。(猫と3人(匹)での結婚記念日 - 黒猫の額:ペットロス日記 (nekonohitai.tokyo)

 (息子が猫型でなく)人間型だったら・・・。18歳と半年で見送る心の準備をしなくても良かったのにな・・・。

 ホメオパシー獣医に飼い猫を連れていってから2週間が過ぎた。2週間程度で腎臓に限界が来るかもしれないとの話だったので、少しヨタついて歩く後ろ姿にも、身構えてしまう。

 でも、とにかく生きてくれている。がんも、表立ってはひどくなっていないというか、見た目の変化はない。私たちの29周年は、おだやかによく食べて一緒にいてくれている。口回りや手についた食べこぼしを拭きとると、相変わらず威勢よくシャー!!と怒ってくる。

 食べてよく寝る、かわいい我が猫型息子だ。

11月末、弱っていく息子

 息子は嫌いなメルカゾールが朝晩の計2錠ではなくて1回1錠だけに減らされて、一時はマックスだったこちらに対する怒りの感情も薄れ、穏やかな表情も見せるようになっていた。しかし、落ち着いていたように見えた息子が、実は徐々に弱っていたらしい。

 メルカゾールを半減させてしまったことで、引き換えに確実に体力が消耗したのかもしれなかった。1日当たり9回前後も少しずつのごはんを食べる元気はまだあったが、24日と27日の夜に吐いた息子は、30日には見るからに弱ってしまった。

 「クロスケは、もうダメかもしれない」と初めて思ったのはこの頃だった。自分もめまいで焦点が定まらずフラフラしているところに、息子を失うかもしれない恐怖。取り返しのつかない、張り裂けんばかりの気持ちで、12/2の仕事のミーティングも無理無理のところを頼み込んで、延期をお願いした。

 当然ながら先方には呆れられてしまい、仕事は流れ、信頼を完全に失うことになってしまった。が、どうしようもなかった。頭の中は涙で詰まり、判断力は失われていた。

 その30日、獣医の指示でステロイドを与えた。おかげで、するすると手の平からこぼれ落ちそうだったクロスケの命は、一旦つなぎとめることができた。 

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横はぴったり、丈が足りない「隊員服」。背中にホカロン(2019/11/24)

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大好きな家族の膝で、とてもうれしそうなクロスケ (2019/11/24)

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ヨロヨロしながら何とか「買い物点検」職務を果たそうとする(2019/11/30)

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