黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑩

2人の獣医さんに見守られ、持ち直した12月

 2019年11月30日から、鎮痛剤のメタカムに代わってステロイドを与えることになった。高齢猫である息子の腎臓が持つかどうか、心配だったからだったと思う。その変更は、手術を受けた動物クリニックのS先生も、ホメオパシー獣医も双方が賛同してそうなった。

 鎮痛剤がそんなに腎臓に負担だとは。腎臓の寿命がその個体の寿命を決めると、確かNHKスペシャル番組(タモリが出ていたような?)で見たような気がする。(探してみたら、ありました↓)

 高齢猫である息子の腎臓を気にして、麻酔の回数も決まってくるようだったし、それでなかなか踏み込んだ治療もできない場面もあって歯がゆかったことも正直あった。では、早々にステロイドにしちゃえばいいじゃん!という訳にもいかなかったんだろうけれど、未だにここら辺の判断が良く分かっていない。

 獣医さんならわかる、当たり前があるんだろうな・・・説明を受けたのかもしれないが、忘れてしまった。いや、もしかしたら、この頃はもう何を聞いてもそもそも頭に入らなかったのかもしれない。

 そのステロイド投与が始まったことで、11月末でお別れかと一時覚悟もした息子が、何のこと?と思うくらいに回復したのだった。緊張で目が見開きっぱなし、頭ガンガン、めまい発作でフラフラのハイパー状態だった飼い主も、ホッと肩の力が抜ける思いだった。

 例えば、「ステロイドのお陰で持ち直しています」とホメオパシー獣医に電話で報告した12/5は、息子クロスケは、ほたて貝柱や介護用メルミルなどの「カクテル流動食ごはん」を8回(0:20、4:00、8:30、13:10、15:20、17:05、18:50、21:25)も食べ、おしっこも9回、お通じも花丸付きを1回している。穏やかな1日で、うれしかった。

 11月から飲ませ始めていたホメオパシーの不思議な薬は、電話で病状などを伝えて追加を送ってもらうようになっていた。薬を出してもらったのは、11/21、12/5、12/17、2020年1/10、1/21、そして2/3。初診以外は息子は行く必要が無く、それが助かった。息子は病院に行くだけで毎回おもらししちゃうくらい怖い。久しぶりの初診でもそうだった。だから、できるなら行かせたくなかった。

 一方で、S先生の方を完全に切った訳ではなかった。

 ただ、もう息子クロスケを連れて行って受診させることはなかった。最後にS先生に診てもらったのは、たぶん11/16。その後は、ステロイドと、甲状腺機能亢進症のためのメルカゾールをS先生に出してもらい、家族が薬をもらいがてら、息子の様子を相談しに行っていた。

 11/30、12/6、12/13、12/28、そして2020年1/11の、S先生のクリニックの診療明細書が残っている。12/28にイーケプラを出してもらっているのは、おおむね穏やかに過ごせていた息子が12/17に久しぶりにてんかん発作を起こしたので、念のためお守りとしていただいた。

 その日、朝5:30に発作が起き、息子は失禁。床で大暴れ状態になり、見守るこちらも真っ青、メンタルダメージは大だった。

 が、慌てないよう自分に言い聞かせながら、指示通り息子が舌を噛まないように気をつけつつ、バスタオルでくるみ、落ち着くまで抱っこした。残っていたイーケプラとステロイドを与えて一安心・・・かと思いきや、また夜21:30にも発作が起きてしまった。

 朝の発作後、息子が落ち着いてからホメオパシー獣医に電話で相談、ホメオパシー薬を調整して送ってもらった。

 その発作が起きた12/17は、流動食ごはんも5回だけ。気づくと、12月上旬には7~9回はごはんをねだって食べていたのに、12/12の5回を境に減り、12/13は3回しか食べていなかったので、少し気を揉んでいた。

 もちろん無理には食べさせず、月末まで息子のごはんは毎日4~5回。量が減っても、ちゃんとコンスタントに食べてくれていることに感謝だった。

息子の清潔を保つには

 相変わらず、食べると周りにも自分にも盛大に撒き散らすことになるが、とはいえ息子も、食べ方が慣れてきているようだった。

 こちらも、ガーゼとボールに入れたお湯、そこに消毒スプレーも準備して待機、終わった頃合いを見計らってきれいに拭いた。

 息子は拭かれるのが嫌なんだろうなと思っていたが、例えば息子が食後に口を手で拭ってしまうと、ごはんが手先の毛の間で、毛も巻き込んで硬い固まりになって残る。通常の猫のように、自分の舌を自由に操って手先のごはんを舐め取れたらいいのだが、それが息子にはもうできない。

 その、体中のあちこちに残ったごはんは、息子にとって気持ちいいはずはなかった。

 ごはんが固まってしまったら、その部分を濡らして緩め、細かいコームでとかして除去しなければならない。その予防に、食後にはある程度、息子をせっせと拭いてしまわないと仕方なかった。

 あまりにもごはんがべったり付いていると、ガーゼで拭うぐらいでは間に合わない。毛の奥に押し込んでしまうだけになってしまう。そうすると、洗面器か大き目のボールにお湯を用意して、そこに両手を突っ込んでもらって洗うしかない。

 お風呂に入れられたら一番いいのだが・・・お湯とはいえ、冬場に手先を濡らされる息子は、不機嫌そうに一声「にゃー」と言う。文句は言いたいのだろうけれど、その実、気分は良さそうに見えた。

 口元右側の癌の再発部分は、残念ながらぷっくりと風船のように膨れてきていた。そのドームのように出てきた部分にも、ごはんがぱりぱりと張り付く。そこはお湯に浸したガーゼで丁寧にぬぐい、さらに消毒液のガーゼで慎重に拭いた。

ウルトラ隊員、クロスケ

 この頃はもう、瘦せた息子の体重を測ることもなかった。部屋の中には、息子がどこでもすぐに横になれるようにあちこちに猫ベッドらしきものをしつらえた。少なくとも6カ所。他に人間用のソファや座椅子、座布団もあったので、そこでも横になれた。

 痩せた息子がどこで横になっても痛くないようにしようと、猫用の半纏やら洋服をペットのコジマで買ってきて着せた。サイズを合わせたり、ヒモの代わりに着脱しやすいようにマジックテープを付けたり工夫した。

 ごはんで汚れるたび、息子はお着替えだ。「何を着ても可愛いな、うちの息子は」と愛おしくて仕方なかった。

 ちょうど12月、冬用のペット服は厚みがあっていい。ただ、ある服は長さはちょうどいいのだけれども横のサイズがぶかぶか。ちょうど背骨のあたりに沿ってつまむ形で縫ったところ、元々の生地の感じも手伝って、なんだかウルトラマンに出てくる隊員の衣装みたいに見えた。

 窓際に置いた座布団に座り空を見上げることの増えた息子が、そのウルトラ隊員の衣装もどきを着て外を一心に見ていると、空にいる仲間と交信しているようにも見えた。

 そんな様子を見るとたまらない。駆け寄って「そろそろお空に帰っちゃうの? もうちょっと待ってよね、クロスケ」と交信の邪魔をすること数回。竹取物語で月に帰ると言うかぐや姫を引き留める翁のようだ。

 そして、こちらを無言で見返すウルトラ隊員もどきの息子。任務を邪魔しないでくれと言わんばかりで、かぐや姫のように日ごとに気高さが増しているようだった。

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窓から外を見るのが日課に。雪だるま模様のちゃんちゃんこを着て(2019/12/17)